よく知らない土地では、JRや地下鉄の利用にはすぐに馴染めても、バスはなかなか利用しにくい乗り物ですね。
私も、初めて札幌に引っ越し、札幌で生活を始めたときはバスが苦手でした。
しかし、慣れてしまえば利用価値が高く、実際に札幌では、JR線よりもバスの方が利用者数が多いくらいなので、利用する機会は多くなると思います。
そこで、札幌でのバスの乗り方と、注意するべき事柄3つ、使えばお得な情報3つをまとめてみました。
※まずはバスの乗り方ですが、これは全国の地方バスと同じスタイルなので、ご存知の方は目次で、その次の注意情報を選んで飛ばしてください。
札幌のバスの乗り方
現金支払いの場合
乗り方
多くのバスにはドアが2つありますので、そのうち中央(後方)の方のドアから乗って下さい。
乗り口(ドア)の正面か右手にある整理券発行機から「整理券」を取ってください。
この整理券が無いと、どこから乗ったのか証明できず、始発バス停からの運賃を支払う羽目になることもあり得ます。
降り方
車内のアナウンスで「次は○○(バス停名)」と放送がありますので、降りたいバス停で、降車ボタンを押してください。
バス停に到着するまでの間に、整理券の番号と車内前方の運賃表を照らし合わせて、運賃額を確認してください(後方にいて運賃表が見えない場合は、バスが停車し社内前方に移動してからでも大丈夫です)。
両替機も運賃箱付近にありますが、紙幣の場合、千円札だけで2千円・5千円・1万円札は対応していませんので、バス乗車前に確認しておきましょう。
(バス運転手さんが対応できる場合もありますが、確実ではないようです)
降りる時に、運賃箱に整理券と現金をバス運転手に見せながら入れてください。
※恐らく、乗り方・降り方は全国の地方都市では全く同じスタイルだと思いますので、地方のバスを利用したことのある方は、安心して利用できます。
※首都圏のバスしか利用したことのない方は、中央(後方)から乗り「整理券」を取り忘れないように注意しましょう。
ICカードでご利用の場合
運賃の支払いに関する部分以外、基本的な動作は現金払いの場合と同じなので、支払いに関する部分だけお伝えします。
乗り方
乗り口の整理券発行機と同じ位置かその付近にある「カード読み取り部」にICカードをかざして下さい。
整理券を取る必要はありません。
降り方
降りるときも、運賃箱にある「カード読み取り部」にICカードをかざして下さい。
複数のICカードを重ねてパスケースなどに入れている場合、うまくいかない場合があるので、1枚だけでタッチしましょう。
札幌のバスは遅延が多い(注意1)
大雪の降った翌日は要注意
大雪の降った翌日の午前中は、除雪が間に合わなかったりで、道路が混雑することがあります。
除雪が間に合ったとしても、大量の雪は、例えば片側2車線の場合、歩道側の0.5車線分に雪が残っていて使えない場合があります。
そうすると、普段2台通れる道が1台しか通れなくなりますので、混雑=遅延の原因となります。
都心部では1年中ありえる遅延
これは、札幌に限った話ではないですね。
200万人弱の大都市札幌で、しかも札幌駅~大通~すすきのエリアにコンパクトシティ的な感じでいろんな機能が集約されている札幌では、都心部で渋滞が起きやすいです。
信号も南北道路・東西道路・歩行者用の3段階での切り替えとなっている交差点が多いため、信号待ちもけっこうあります。
逆に、都心部では除雪遅れによる交通渋滞はほとんどありません。
しかし、郊外から都心部へ通う方は、「郊外での雪の影響」+「都心部ならではの渋滞」のダブルパンチで30分以上も遅延するといったこともありますので、注意しましょう。
ただ会社は、そんな言い訳をちゃんと聞いてくれるので大丈夫です。
バス運行状況がスマホで分かる!
バスの遅延が多いと、いつバスが到着するのかイライラしてしまいます。
特に、真冬の北海道で、寒い!吹雪いている!中、バスを待ち続けるのは辛いものがあります。
そんなときに役立つのが、バスの運行状況がスマホで分かるシステムです。
2019年3月から
・ジェイ・アール北海道バス:札幌圏内の全路線
・北海道中央バス:札幌市内の約半分の路線
の2社が利用できるようになりました。
※じょうてつバスは、2020年春から運用開始予定。
ジェイ・アール北海道バスの例
パソコンで「バスキタ」と検索してみてください。
バスキタ!JHB https://info-jhb.buskita.com/
各バスのバス停への到着予定時刻や、MAP上に走行中の各バスの動きやバス停の位置が表示されます。
例えば、バスのマークの色が青なら5分未満の遅れ、黄色なら5~9分の遅れ、赤色なら10分以上の遅れを意味しているのだそうです。
ICカード利用は3つのバス会社だけ(注意2)
北海道では、全てでICカードが利用できるのは地下鉄と市電だけです。
JR線もバスも利用できるのは札幌近郊のみといった感じですが、特にバスの場合は、札幌市内であっても利用できない場合があります。
下に、利用できるバス会社名と路線を記載しておきますので、それ以外では利用できないと捉えてください。
ジェイ・アール北海道バス
・札幌市内全路線
・札幌市内を含む郊外路線(小樽、江別、北広島、長沼、南幌方面)
・高速バス(小樽)
じょうてつ
・札幌市内全路線
北海道中央バス
・札幌市内全路線
・札幌市内を含む郊外路線(石狩、千歳、江別方面)
・札幌近郊の郊外路線(北広島、江別、千歳)
・小樽市内全路線および小樽近郊の郊外路線(余市方面)
・高速バス(小樽、余市、岩内、積丹、ニセコ、苫小牧、室蘭、岩見沢、三笠、栗山、夕張、新千歳空港連絡バス、滝川、新十津川、留萌、富良野)
利用可能なICカード
・「SAPICA」札幌市営地下鉄と札幌市電、上記のバス路線で利用でき、乗車ごとに10%のポイントが貯まります。
・「Kitaca」JR北海道のICカードです。札幌市営地下鉄と札幌市電・上記のバス路線の他にも、全国の他JR系や私鉄系などと共通で利用することができます。
・その他にも「Suica」「PASMO」など交通系ICカードも利用できます
「Suica」「PASMO」「manaca」「TOICA」「PiTaPa」「ICOCA」「はやかけん」「nimoca」「SUGOCA」
ICカードが利用できない例
上記のICカードを利用できる範囲以外では、ICカードが利用できないということになりますが、特に気を付けたいのは、空港へ行く時です。
新千歳空港も丘珠空港も、バス路線は中央バスと北斗交通の2社が運行していますが、北斗交通はICカードが利用できませんので、注意しましょう。
(中央バスはOKです)
「札幌」と名のつくバス停がややこしい(注意3)
札幌市は200万人弱の大都市です。
その中心部であるJR札幌駅~地下鉄大通駅の付近には、「札幌」と名の付く始発バス停が5つもあるのです。
北口とか南口などの区分けがあれば、まだ分かりやすいのですが、そうでないバス停名や区別されていても勘違えてしまうバス停名もあるので、その「バス停」と「路線名」をご紹介しておきます。
札幌駅(エスタ・ビックカメラ)
JR札幌駅の改札から一番便利な位置にあるバス停(徒歩約3分)です。札幌駅の巨大ショッピングモールである「JRタワー」の一角なので、札幌駅とつながっています。
●じょうてつバス
[快速7] 定山渓線、[快速8] 定山渓線、[南55] 藻岩線、[南54] 真駒内線
●ジェイ・アール北海道バス
[5] 米里線、[1] 新札幌線、[1-3] 新札幌線、[2] 北郷線、[7] 米里線、[8] 米里線、[33] 北広島線、[55] 手稲線、[57] 手稲鉱山線、[61] 西町線、[快速64] 手稲線、[80] 試験場線、[51] 啓明線、[53] 啓明線
札幌駅北口
JR札幌駅の北口広場にありますので改札から徒歩3分程度ですが、外の道路を歩く必要があります。
●中央バス
[創75] 創成川・白石線
札幌駅前(東急百貨店)
さっぽろ東急の目の前(札幌駅とは反対側)にあり、JR札幌駅の改札(東豊線側)から徒歩約4~5分です。さっぽろ東急百貨店が札幌駅と地下道でつながっていますが、バス停は外です。
●中央バス
[64] 北野中央線、[74] 月寒本線、[80] 月寒本線、[83] 西岡美園線、[85] 清田団地線、[86] 清田団地線、[88] 真栄団線、[96] 柏葉台団地線、[96] 柏葉台団地線、[113] 大曲光線、広島線(輪厚ゴルフ場経由)、広島線(輪厚ゴルフ場経由)、広島線(道都大学経由)、[79] 西岡平岸線、[89] 羊ケ丘線、[89] 羊ケ丘線
札幌駅(みずほ銀行)
みずほ銀行札幌支店の前にあって、JR札幌駅の改札(南北線側)から徒歩約4~5分です。みずほ銀行も札幌駅と地下道でつながっていますが、バス停は外です。
●中央バス
[61] 月寒東線、[72] 南郷線、[55] 白石本線、[56] 東雁来線、[57] 北郷本線
中央バス札幌ターミナル
札幌駅からは900mも離れているので、徒歩で約12分もかかります。札幌という名前が付いているからと言って、札幌駅から近いと勘違いをすると大変です。
最寄り駅は大通駅かバスセンター前駅(東西線)で、どちらからも地下道でつながっていますが、路線バスのバス停は外にあります(長距離の高速バスなどは待合室から乗車できます)。
大通駅からは、どの路線の駅からかで距離が変わりますが、南北線や東西線の改札からだと600mほどで徒歩約8分です。
バスセンター前駅からでは、550mほどで徒歩約7分です。
●中央バス
千歳線<急行>、[101] 空沼線、[106] 滝野線、[90] 札江線、[22] あいの里・篠路線、[33] 篠路駅前団地線、[36] 篠路駅前団地線
※上記5つのバス停以外にも、パナソニックビルやホクレンビルの前にも「札幌駅前」というバス停がありますが、こちらは始発バス停ではありません。
お得な利用方法3つ
100円バス
札幌の都心部だけの移動でバスを利用すると、100円玉ワンコインととてもお得です。
100円で利用可能な区間は、
東西に「北1条西7丁目~時計台~サッポロファクトリー(北1条)」
南北に「札幌駅~時計台~大通~狸小路(南3条)~すすきの(南4条)」
です。
例えば、札幌駅からすすきのへ行く場合、地下鉄なら200円のところバスなら100円なのですが、時間は地下鉄の方が圧倒的に早いです。
札幌駅からサッポロファクトリーであれば、地下鉄200円(さっぽろ~大通~バスセンター前)より、バス100円の方が安くて早いです。
※この100円バスの条件で一番気を付けなければならないのが、現金払いであるという点です。ICカードで支払うと、同じ区間でも210円が引かれてしまいますので注意しましょう。
地下鉄とバスの乗り継ぎ
地下鉄とバスの両方を利用する際は、乗り継ぎ割引(80円)が利用できるケースがあります。
ICカードなら、カードをかざすだけで、自動的に乗り継ぎ割引のケースか否か判断してくれ、自動的に割引をしてくれますが、現金払いの場合には、自分で乗り継ぎ割引用の行動を起こさないといけません。
詳しくは、札幌の地下鉄とバスの乗り継ぎで80円も料金が割引される方法とは!を見てください。
SAPICA支払いで10%ポイント
札幌市の交通やお買い物に使えるICカード「SAPICA」で、バス・地下鉄・市電の支払いをすると、運賃の10%分がポイントとして貯まります。
最後に
どの地域でも、バスの利用方は、その地域の地理を理解するまでは結構大変ですね。
しかし、札幌の場合は、JR以外の地下鉄・市電・バスは、利用するほどにお得な制度がたくさんありますので、できる限り早めに理解して利用した方が良いと思います。
札幌では、JR線よりもバスの方が利用者数が多いくらいなので、バスの出番は意外と多いのです。
特に、雪道での運転はいろいろと苦労もありますから、バスの利用がおすすめです。
但し、自分で車を運転するよりはバスの利用をお勧めしますが、冬の遅延についてはストレスも溜まりやすいので、地下鉄・市電が利用できる限り範囲では地下鉄・市電での移動をお勧めします。