札幌にある4つの交通網(地下鉄・市電・JR・バス)の中で、地下鉄に次いで利用勝手が良い公共交通機関は、札幌市電です。
今回は、日常生活でも札幌観光でも利用する場面が多くなる札幌市電について、その乗り方や料金など、札幌市電を利用するのに必要な情報を整理し、簡単に分かるようまとめました。
乗り方→降り方
乗り方
2種類ある停車場
市電を乗降する場所である停車場には、2種類のタイプがあって、タイプによって停車場への行き方が変わります。サイドリザベーション方式の停車場だと、信号を渡らずに(青信号を待たずに)路線電車に乗れるので便利です。
サイドリザベーション方式の停車場
日本初のサイドリザベーション方式と言って、歩道に沿って、歩道から直接行くことができる停車場です。
札幌市電の24停車場の中でも、札幌市電がループ化されるときに新設置&改築された「西4丁目」「狸小路」「すすきの」3駅のみの方式です。
※「西4丁目」と「すすきの」では、内回りと外回りで、この方式と旧(下記)方式の停車場とに分かれます。
その他の停車場
西4丁目・狸小路・すすきの3駅以外の停車場は、日本全国にある他都市と同じスタイルの停車場です。
車道の真ん中にありますので、停車場へ行くのに信号(横断歩道)を半分渡る必要があります。
2種類ある車両
昔ながらの車両
よく企業広告などを載せたラッピングカーも走っていますので、ボディデザインはそのときどきでバラバラです。
新しめのきれいな車両
ポラリスと呼ばれる新型車両です。
実は3種類目の最新型車両(シリウス)もあるのですが、見た目はポラリスとほぼ一緒です。
どの車両に乗っても、行先や停車する停車場、所要時間、料金などは同じです。
車窓観光も楽しみたい方は、窓が大きく眺望性の良いポラリスを選んでみてください。
車両への乗り方
乗る位置
車両の中ほどまたはやや後方の扉が開きますので、ここから乗車します(前方の扉は降車専用)。
乗るときにすること
乗るときには、何もする必要がありません。
バスと同じ後払い方式なのですが、運賃一律性のため、整理券と撮ったり、読み取り機にICカードをかざす必要もありません。
※ちなみに、首都圏のバスと違い、札幌のバスは運賃後払い方式で距離により運賃が変わります。
降り方
降りる停車場の意思表示・ピンポン
降りる前に、「次は○○」というアナウンスがあった際に、ピンポンします。
降りるときにすること
降りるときに、前方のドアから運賃を支払ってから出ます(ICカードなら読み取り機にかざす)。
運賃が均一性なので、現金支払いの場合でも、金額を確認する必要はありません。
料金(運賃)
一律運賃制
24駅のどこで降りても運賃は一律(一乗車につき)です。
おとな:200円
こども:100円
お得な1日乗車券「どサンこパス」
基本的な条件
利用可能日:土曜日・日曜日・祝日と年末年始(12月29日~1月3日)
料金:360円
どサンこパス1枚で、大人1人とこども1人が1日乗り放題です。
※ちなみに、土曜日の「ど」、日曜日・サンデーの「サン」、こどもも1人OKの「こ」を並べて「どサンこ」パスという名称になっています。
こんなにお得!
どこかへ1往復するだけでも、普通は200円×2回の400円がかかります。
例えば、藻岩山のロープウェイに乗るために、家族4人(おとな2名・こども2名)で最寄停車場からロープウェイ入口まで往復乗車した場合、
「どサンこパス」なら、360円×2枚で、総額720円。
普通に運賃を支払ったら、200円×2名と100円×2名が2回(往復2回乗車)、総額1,200円。
土日祝日には、間違いなく「どサンこパス」がお得です!
知っておきたい事前情報
路線
中央区内をループ状に走っていて、1周24駅・約50分です。
西4丁目(大通)を始め、狸小路・すすきの・中島公園通・中央区役所前など、札幌市中央区の主要部を通ていて、利便性の良い路線です。
所要時間
各駅間の所要時間は1~4分で、2分の駅間が多いです。
電車本数
1時間に8~11本(日中)程度なので、5~10分に1本といった感じです。
始発と終電
「始発」は朝の6時台に2本
「終電」は夜の11時台に2本です。
運行状況が分かる掲示板
上記写真のように、今、どの駅まで電車が来ているのかが分かる電光掲示板が各駅にあります(掲示板の大きさは駅により異なります)。
雨がふっても大丈夫!
雨が降ったとき用に、電車内に貸し出し用の傘立てがあり、自由に借りることができます(利用後はちゃんと返しましょう)。
利用できるICカード
❶SAPICA
ほぼ札幌市内でしか利用できませんが、札幌市営地下鉄と市電利用時にポイントが10%分貯まるのでお得です。
❷JR系など全国鉄道系で使えるICカード
JR北海道のKitacaの他、JR東日本のSuica、JR西日本のICOCA、私鉄系のPASMOなどの鉄道系共通で利用できるICカードも利用が可能です。
現金払いの注意点
降車で運賃を支払う際に、運賃箱の横に両替機もあるのですが、千円札しか両替できません。
運転手さんが対応できれば、1万円・5千円札も両替可能ですが、確実ではないので、必ず100円玉2枚か千円札を持って乗車しましょう。
最後に
やっぱり札幌市内で一番利用しやすい交通機関は地下鉄ですが、JR線やバスに比べると市電は利用しやすい方の公共交通機関です。
その理由は、冬でも(夏でも)雪の影響もなく時間通りに運行されるからです(運休もほぼありません)。
2015年12月に西4丁目(大通)とすすきの間がつながり(狸小路が新設)ループ化されて以降、利便性が高くなったことで乗車人数が増えました。
その結果、特に朝晩の通勤通学の時間帯に混雑が増してしまい、電車が来ても満員で乗り切れない、1つ後の電車を待たなければならいという現象が発生していますので、その時間帯は注意が必要です。
停車場は屋根があると言っても、外で寒いですし、少しでも風があれモロに雪が吹き込んできますので。
それでも、遅延が多いJR線やバスに比べれば良いのですが。
札幌での通勤通学は、できる限りは地下鉄線一択! 地下鉄沿線が難しい場合は市電!といった感じがおすすめです。